襟首を正す
概要
『武士は襟首袴腰』て聞いたことがありますか?私は大学時代、師範からよく言われました。
襟首を正すことに何の意味があるのでしょうか?だらしがないから?しつけのため?
いいえ、襟首を正すことは剣道上達のとても簡単なコツなんです。
効用
襟首を正すことでどんな効果があるのでしょうか?
- 首筋が伸び、首の筋肉が最も緩んだ位置に頭部が納まります
(頭部の重量は5kg前後あると言われます 満杯のペットボトル2本を前に突き出して持ってみましょう 首にかかるストレスのなんと強いことか!) - 前に出た頭部を支えようとして胸椎が丸まること(猫背)を防ぎます
- 胸椎が丸まるのに釣られ、骨盤が後傾し、前へ動きにくくなることを防ぎます
- 胸郭のアライメントが整い、呼吸が深く、長くなります
- 相手から面が届きにくくなります(当たり前だ・・・)
襟首を意識していなかった頃の構え
襟首を意識するようになった後の構え
どちらが良いと思いますか? どっちも良くない? 精進します(笑)
どうやって襟首を正すか
襟首袴腰を聞いたことがない人でも、着装を整えなさい、ということは何度も言われたり、聞いたりしたことでしょう。
襟首を正す最も簡単な方法は、着装を正すことです。袴の両脇から胴着の前後の裾をキュッと引張ることで、襟が首筋に密着します。その密着感を感じることで首筋が伸び、首の筋肉が最も緩んだ位置に頭部が納まります。
稽古の際は意識して着装を整えるようにしましょう。
普段の生活でも
昨今はクールビズなどでそうでもなくなってきていますが、社会人はワイシャツにネクタイが当たり前でした。スポーツでもゴルフやテニスでは襟付きの服が今でも半ば常識になっていますね。
これらのことは決して見た目や権威付けということだけではなく、身体機能のことも考えらて(感じて)いたのではないかと思われます。
また服は24時間身につけているものですから、襟付きの服を着て、襟の密着間を意識するだけで、身体が活性化し、剣道が上達すると思えば、なんと簡単な稽古法であることでしょうか!?
皆様も是非襟付きの服を見直しましょう!
能々稽古あるべし
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