下駄を履く
概要
最近スポーツ界では下駄が密かに注目されているようです。(有名アスリートの中ではスケート小平選手、相撲炎鵬関、ウエイトリフティング三宅宏実選手など)
なぜ下駄なのでしょうか?管理人の体験も踏まえてご紹介したいと思います。
効用
なみあし的には下駄を履くことによって、以下の効果が期待できます。
- 踵荷重を覚えられる
- 運動するのに適した骨盤の位置・角度を獲得できる
- 足を底屈(爪先で地面を蹴る)させずに、背屈させて歩く動作を学べる
- 歩隔(左右の足の距離)を狭くすることができず、必然的に二直線歩行になる
- 歩幅が自然と小さくなり、腰のねじれ運動が抑制される
下駄の履き方
身体能力を向上させるためには、単に下駄を履くだけではいけません。ちょっとしたコツがあります。
- 指を鼻緒にしっかり差し込まず、つまむように履く
- 踵は台からはみださせる(そういうサイズのものをお店の人が選んでくれます)
- 足は引きずらず、音を立てないように歩く(足を上げた時に足裏を底屈させて台と指先、踵が密着するように)
どの下駄を履く?
ネットを検索すると、たくさんの下駄がヒットします。一本歯のものも一般的になり、入手するのは難しくありません。ただ、なみあしを学ばんとするならば、ぜひ適した下駄を履いていただきたいものです。
画像の下駄は管理人が所持している一本歯の下駄です。一般的には台の中央についていますが、これは歯が踵側についています。実はなみあしを修得するために最適化された下駄なのです。
一本歯の下駄
この下駄がなぜなみあしを学ぶのに良いかというと・・・踵荷重にならないと立てないからです。
効率よく前進するためには、踵荷重になる必要があります。が爪先荷重が染みついた身には踵に荷重することは容易でありません。できていたとしてもその感覚が正しいのかが分からないのです。
この下駄を履いて、きちんと立つことができれば、踵荷重の感覚がよく分かります。また履いている時だけでなくて、脱いだ後も一定時間はその感覚が続くのです。(1日程度?)
1日1回5分程度、ただ履いて足踏みしているだけ(一本歯なので静止していられない)で十分な効果が得られます。
もし入手したい!という方は以下のリンク先からどうぞ(勝手にリンクしてますが、支障あればご指摘ください。
もっと下駄に親しむ
普段から下駄ライフを送りたく、普通の二本歯の下駄を探していましたが、これまた見つかりません。ネットで買えば良いのですが、やはり実物を見て、お店で鼻緒をすげてもらったものを買いたかったのです。
探し始めてから随分時間が経って、ようやく見つけたのが京都錦市場にある大島履物店)さん。私は少し幅の狭い台にしました。(購入金額¥4800也、節取りして欠けている部分があるからとまけてくれました)
早速、稽古の時に履いて行ったところ、一本歯の下駄を履いた後と同じ感覚があります。すごくいい感じ!!やはり下駄は下駄、履き方を間違えなければ、同じ効果があるようです。皆さんもぜひお試しあれ!!
下駄にまつわる話
下駄をカランコロンと音を立てて・・・というのは実は本来の歩き方ではない、と聞いたことがあります。音を立てるのは子供の歩き方で、本来は静かに歩くものだとか。
剣道に限らず、武道では立ち方や歩き方を重要視してきました。例えば剣道では剣聖と称される持田盛二が若かりし頃、下駄の歯のすり減り方が左右で異なることを老師に指摘され、歩き方を注意するようになった、という話が伝わっています。
また昔の先生方が写っている写真を拝見すると、足元は下駄や草履、雪駄であることが多いです。剣道は裸足でするものですから、靴を履くのが気持ち悪かった、面倒だったというのも考えられますが、何か効用を感じていたのかもしれませんね。
能々稽古あるべし
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