利生突
概要
突技のひとつです。「利生」とは聞き慣れない言葉です。管理人も語源は知りません。
現代的に言うならば、出頭突になりますが、異なるのは喉を突くわけではないと言うことです。
では、どこを突くのかというと・・・
技の順序
左足にきちんと荷重し、出頭を狙えるようになっている人には難しくないでしょう。
振りかぶりが大きい相手、手元がすぐに浮く相手(既に浮いている相手)、応じ技を狙っているちょっと厄介な相手に向いている気がします。
- 中段で構え居る
- 間合いに入っていき、反応を窺う(手元が浮くか)
- 打間になった時、こちらの攻めに負けて(怯えて)、打ってきたその刹那
- 腕を伸ばし、前胴(腹)を突く
- 突きの衝撃に怯んだところを、いかなるところをも打つ
技のコツ
相手を見極めること、間合いに入ろうとするとすぐに上段に振り上げて、威嚇してくる人なんかが狙い目です。
この威嚇にも動じず、さらに前に歩を進め、相手が打ってくるところを腹を突きます。もちろん、振り上げた瞬間に喉を突いても結構です。
しかし、あまり突いてやろうと気構えると突けないものです。こちらはあくまでも泰然自若、悠々と攻めましょう。
練習法と注意点
練習法はありません。
注意点は、高価な胴を身につけている人は注意しましょう。怒る可能性があります。
喉を突く場合は、相手が前に出てくることを考え、優しく突きます。迎え突きはわざの止まり、かつ危険で卑怯な術です。
また胸を突くのも相手を痛める可能性があります。しっかりとした胸を着けていたらいいのですが、最近の胸は柔らかすぎて防護性に欠け、突きの衝撃に耐えられないものもの心臓震盪、飾りのないベタ刺しのため剣先が胸で止まらず喉に刺さる恐れがあります。
より完成度をたかめるなら、半歩・四半歩でも左右に捌いて突きたいですね。(私はできません)
ちなみに
私の知る限り、「利生突」という名前の出所は千葉周作の『剣術六十八手』のようです。
また前胴(腹)を突く、というのはかつては有効打突として認められていたようですが、審判から見て有効かどうか見極めにくく、すぐに廃れてしまったようです。
実践動画
Coming soon...
派生技
能々稽古あるべし
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