捲き面(捲き落とし面)
概要
相手の竹刀を捲き落とし、空いた面を打つ仕掛け技(出端技として使うのも有効)の一つです。上手な人は相手の竹刀を文字通り”落とす”ことができますが、そこまで上手に捲ける人はそう多くはありません。
足捌き、手の内・手首の柔らかさ、わざの出しどころ、全てが整わなければ一本にすることは難しく、難易度は非常に高いわざです。
一方、その難しさの割に評価の低いようです。
有効打突ではなくて、竹刀落としを狙うわざとして認識されているためかもしれません。(Wikipedia/岡田守弘の エピソードもご参照)
実はなみあしを応用すれば、それほど難しくありません。ぜひ使えるようになって周りの剣士を驚かせましょう!(多用は厳禁!)
技の順序
ここでは歩行と外旋の原理を活かして、裏から剣道形七本目のように左足前で打突します。
- 中段で相手と接する。
- 竹刀を裏に回す。
- 相手がこちらの出方を伺って、出端を打ってこないのを感じたら、右足をゆっくり進める。
- 間合いがちょうど良いところで左膝を抜くと、左足に荷重が掛かり、左腕が外旋(右手は内旋)し、剣尖はやや左に向きます。(相手の剣から離れてはいけない、接した状態を維持する。)
- 右足に荷重すると右腕が外旋するのを活かして、相手の剣先を巻き込みつつ、剣尖を裏から表(自分から見て時計回り)に勢いよく回します。
- このとき右足前・右足荷重なので、後ろにある左足で右足を追い越して面を打ち込みます。
技のコツ
- 剣先は左足荷重(左腕外旋・右腕内旋)で剣先は左方向へ、右足荷重(左腕内旋・右腕外旋)で右方向に倒れることを理解する。
- 足は捲き上げ面とは逆に、右に開き気味に遣うと鋭く捲き落とすことができます。
- 腰と膝の動きで回すこと。腕力で回さない。手の内は終始柔らかく。
- 剣道形七本目の仕太刀と同じ要領で、左足前で打ち込みんでも良いでしょう。
練習法と注意点
打突を練習する前に
- 荷重した側の腰が前進することを理解し、歩行の際に無意識に実践できていること(腰が回転せずに歩いているように見える)。
- 傘などを提げて歩いているとき、歩みに合わせて先が自然にクルクル回るようになればしめたもの。
竹刀を持って
- 中段の構えのまま、荷重足の切り替えだけで竹刀が回るようになること。
- 袈裟振りの稽古が有効!
対人稽古
- 一人稽古がちゃんとできていれば、対人で動作の練習をする必要性はあまり感じません。
- 対人稽古では出しどころを勉強すること。(わざの切れ目、お見合いになったところなど今まで見えなかった隙が見えるようになるはず。)
実践動画
Coming soon...
派生技
- 捲き小手
- 出端を捲き落として面
能々稽古あるべし
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