捲き面(巻き面/捲き上げ面)
概要
相手の竹刀を捲き上げ、空いた面を打つ仕掛け技(出端技として使うのも有効)の一つです。上手な人はそれこそ相手の竹刀を手から空中へ飛ばすことも可能ですが、管理人はまだ飛んだところは見たことがありません・・・
捲き落し面に比べると出しどころが難しいように思います。またなみあし的捲き上げ面は足遣いがやや特殊で、管理人自身もまだ上手くできていません。
技の順序
捲き落とし面と同じく歩行と外旋の原理を活かしますが、今度は表から打突します。
- 中段で相手と接する(鍔競りの解消や打突後の近間などが狙い目か)。
- 表で竹刀を接したまま、右足荷重になります。
- 剣尖はやや右に向きます。(相手の剣から離れてはいけない、接した状態を維持する。)
- 左足に乗り換えるとともに、相手の竹刀を巻込みつつ、剣尖を左に回します。
- 自分から見ておよそ10〜11時位まで剣尖が回ったところで、また右に乗り換えて竹刀を回し続けます。
- 剣尖が5時位まで回ったら、もう一度左に乗り換えて、竹刀を跳ね上げます。
- 空いた面を普通の面打ちと同じく右足前で打ちます。
技のコツ
- 剣先は左足荷重(左腕外旋・右腕内旋)で剣先は左方向へ、右足荷重(左腕内旋・右腕外旋)で右方向に倒れることを理解する。
- 手は右手を支点にして、左手を大きく、梃子は使わず、両手を同じように使い、力を抜いて柔らかく回します。
- 竹刀を捲く時は、手だけで回そうとせず、足も使った方が簡単に捲けます。そのとき足はそのまま真直ぐ前ではなくて、左斜め前に開き足を使うと良いように思います。
練習法と注意点
打突を練習する前に
- 荷重した側の腰が前進することを理解し、歩行の際に無意識に実践できていること(腰が回転せずに歩いているように見える)。
- 傘などを提げて歩いているとき、歩みに合わせて先が自然にクルクル回るようになればしめたもの。
剣の回し方
回し方は2種類あります。
-
右手を支点に、左右の手の回転の位相がずらす。
横から見ると柄の中央に回転の軌跡による円錐の頂点ができる。 -
どちらにも支点をつくらず、左右の手の回転を同期させる。
横から見ると、柄の外側に円錐の頂点ができる。
当初は1.の方法で捲いていました。ところがうまく捲けません。
あるところで「竹刀を上下させるときは梃子は使わず、左右同じ方向に動かさないとダメ」と聞いた瞬間、巻き技への応用を思いつきました。それが2.の方法です。両手の動きが同位相になっていることで、合力が強くなるのでしょう、成功する確率が高くなりました。
竹刀を持って
- 中段の構えのまま、荷重足の切り替えだけで竹刀が回るようになること。
- 袈裟振りの稽古が有効!
対人稽古
- 一人稽古がちゃんとできていれば、対人稽古に時間を費やす必要なないでしょう。
-
対人稽古では出しどころを勉強すること。
わざの切れ目、お見合いになったところ、間合いが詰まったところなど今まで見えなかった隙が見えるようになるはず。特に出端(わざを仕掛けてくるときだけでなく、動くとき全体)は成功確率が高くなります。
実践動画
Coming soon...
派生技
- 捲き上げ逆胴
能々稽古あるべし
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